【住宅の今後】いつか来る?実家の売却 押さえるべき 3つのこと
いつか来る実家の処分。
これから不動産の需要はどんどん少なくなり、家が売れない時代に突入すると予想されています。
本格的に家が売れない時代になる前に、押さえるべき3つを知っておきましょう。
【注意すべき問題①】現在の不動産の価格はピークを迎えている
不動産が売れなくなる時代になる一番の理由は「今の不動産の価格が天井だから」ということです。
価格が天井であるということは需要がピークということ。つまり今は不動産の需要がピークであり、これからの需要は落ちていく一方であると考えられています。
【注意すべき問題②】人口が減少している
人口推計(令和2年(2020年)1月確定値,令和2年(2020年)6月概算値) (2020年6月22日公表)https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
2015年に1憶2000万人いた人口も、2050年には9500万人をきると言われています。
人口が減ると、首都圏では住宅の数が多く、需要と供給のバランスがとれない。郊外(田舎)では家を買う世代が減っていき、人口も都心部に移住している。
このように少子高齢化が進み人口が減っていくと、首都圏でも郊外でも家が売れなくなってしまいます。
【注意すべき問題③】東京ドーム約2200個分の土地が一気に市場にでる
2022年 生産緑地の土地の8割(東京ドーム約2200個分)が期限に。
2033年 空き家率が30%を超える
2022年に東京ドーム約2200個分の土地が一気に市場に出てきて物件が売れなくなり、2033年には空き家率が30%を超えると言われています。
空き家率が30%ということは3件に1件が空き家になっていくということです。
14年後には自分の隣が空き家・・・なんて可能性も・・。
2022年に東京ドーム約2200個分の土地が一気に市場に出るのにはワケがあります。1992年に市街地区域にある農地は宅地化農地と生産緑地に分けられました。
生産緑地に指定されると、固定資産税がかなり低くなり、相続税の納税が猶予されていましたが、この猶予を受けるには30年間農業をすることが義務でした。
東京・名古屋・大阪の三大都市圏の生産緑地の土地の8割(東京ドーム約2200個分)が2022年に30年目になります。
30年もたてば農業をしていた人たちも高齢になり、後継者もいないため、2200個分の土地が一気に市場に出てくると予想されています。
家を購入する側も、できれば自分の好みに建てた新築の物件に住みたいですよね。結果、新築の物件に人気が集まり、中古の物件を買う人は少なくなるのです。
たくさんの土地が一気に世の中に出れば、ますます空き家を売ることは難しくなるでしょう。
相続前から不動産売却の知識を蓄えておくべき!!
不動産の専門家ではなくても、売却できるのか?苦戦しそうなのか?はわかるかと思います。
相続前から戦略を考え、売ることを念頭に置きながら相続をする必要があります。
家族会議はいつ始めてもいいのではないでしょうか?
売却前提の実家相続なら換価分割を選ぶ
相続の方法というのは細かく4種類に分かれています。
- 換価分割
- 現物分割
- 代償分割
- 共有分割
売却前提で相続をするなら換価分割を選びましょう。
換価分割は遺産を売却し、得た現金を分割する方法です。
スムーズに売却へ移行できる他、実家のように分割できない不動産の遺産トラブルを回避することもできます。
実家を売却する時にも遺言書の存在は大切です。
生前のうちから親・兄弟と協議しておくのが理想的
遺言書を作成するために、家族会議をすると考えてもいいのではないでしょうか。
また遺言書は何度も作ることができます。
しかし、遺言書としての書式が守られておらず無効になって揉めるということもあるため、専門家に相談しましょう。
生前のうちに本人と相続人全員が話し合い、本人の想いを遺言書に残しておけば、死後に起こるトラブルを回避することができます。
相続前から不動産売却の知識を蓄えておく
相続した実家を売却する場合、誰か1人を代表に立てて、その人に手続きを任せるのが一般的です。もともと売却に賛成だった方が代表者になる可能性が高いのですが、代表者は手続きを進める他にも、他の相続人への説明責任があります。
不動産会社や購入希望者との会話や売却の進捗状況は代表者を通して他の相続人に共有されることが多いので、適当なことを言ってしまうとトラブルが発生しかねません。
代表者が誤った判断をしてしまうと他の相続人にも悪影響を及ぼすので、最低限の知識の吸収は進めていく必要があります。
いつか来る?実家の売却は準備が必須
今現在でも、世帯数より住宅数の方が多いのが現状です。これからますます家が売れなくなる時代になっていくことが予想されています。
- 価格はどのようになりそうか?→複数の不動産会社に相談
- 遺言書は作るべきか?→専門家(司法書士・行政書士・FPなど)に相談
いつか来る実家の処分にしっかり準備をしておきましょう。
時間がある間に準備をすることで本人たちの希望を叶えることができるかもしれません。