断熱リフォーム 体験談 住みながらたった6日間!N様邸実例
2014年4月に発足した旭化成建材株式会社 快適空間研究所は、自らが目指すべき未来のライフスタイルを「あたたかい暮らし」と名づけました。ここでいう「あたたかい暮らし」とは、〝心と体と懐があたたかくなる住まいでの、いきいきとしたライフスタイル〞のこと。
これから住まいの検討をされるご家族や寒さ・暑さに困って住まいのリフォームを検討されるご家族にお読みいただき、できるだけ多くの方に「あたたか族」の一員になってほしいと願っています。
このコラムは2019年10月18日に「あたたか族(https://www.atatakazoku.com/)」にて公開された「住みながらできる断熱リフォーム。 部分的な施工で、気軽に、短工期を実現」コラムの転載です。
手軽な断熱リフォームとは?
家をリフォームするなら、あたたかい住まいにしたいと思う方も多いのではないでしょうか。あまり知られていませんが、リフォームでも家の断熱性能をアップさせ、冬の寒さや夏の暑さを軽減して快適にすることができます。
ところが、従来の断熱リフォームは、壁・床・天井をはがして断熱材を施工することが一般的でした。そのため、施工中の仮住まいが必要になるなど大がかりになってしまい、施主の負担は大きいものに。
今回、ご紹介する事例は、既存の壁・床・天井を壊さずに、部屋の内側と床下から断熱材を取り付ける断熱リフォームをした住宅です。従来の方法と違って、壁や床をはがさないので、住みながら短い工期で行うことができ、快適性も格段に向上しました。
新築なのに、とっても寒い。ストレスが溜まる生活に
ご夫婦とお子さん3人のNさん一家が、新築の建売り住宅を購入されたのは2011年のこと。南向きの明るい2階リビングの住まいを選びました。しかし、住んでみると、冬の寒さにびっくり。
「冬、1階の床はスリッパ無しでは歩けないほど冷たくて。外が0°Cくらいだと床の温度は5°Cくらいでした。床暖房が入っている2階のリビングはあたたかいのですが、そのリビングから1階の寝室に行くのが寒くて仕方なかったんです。以前はマンションだったので、なおさらでしたね。実家は木造の戸建てだったので木造の寒さは知っていましたが、想像以上に寒かったんです」とご主人。
奥様も「2階の北側の洗面所やトイレ、浴室もものすごく寒かったですね。リビングが24℃でも洗面所は13℃くらいでぶるぶる震えるほど。掃除も辛かったです」。
しかしながら家は新築。こういうものかと、洗面所に電気ストーブを買ってくるなどしてなんとか過ごしていたそうですが、ストレスは溜まる一方。そしてある冬の日、お風呂場の冷たい床に思わずつま先立ちしたご主人は姿勢を崩し、足の小指の骨にヒビが入ってしまうという痛ましい出来事が…。そんなこともあって、ご夫婦は断熱リフォームを考えるようになったそうです。
たった6日間! 住みながらの簡単施工
ご夫婦が最終的に断熱リフォームに踏み切ったのは、“住みながら、部屋単位で、しかも短期間で改修が可能”であることを知ったからでした。家の中の暑さ、寒さ以外にはまだ直す必要のない新居であることと、小さな子どもたちがいることを考え合わせた結果、住みながら部分的に行う断熱リフォームを決意、住み始めてから4年目の2015年2月に行いました。
断熱リフォームの内容は、
- すべての窓に内窓を取付ける
- 1階の床全面に断熱材を入れる
- 1階寝室と2階トイレ・洗面所の壁に断熱材を張る
1)の内窓の取付けは、ただ内側に窓枠を取付けてガラス窓をはめ込むという簡単なもの。2)の1階の床は、床下から断熱材を施工したので家の中での作業は無し。3)の壁は、既存の壁の上から石膏ボード付きの断熱材を張るだけ、という簡単な施工で、トータルでたった6日間という短期間で終わりました。
断熱リフォームの体験談「ストレスだった寒さが解消、予想外の効果も」
心配だった住みながらの施工も問題なく、結果は想像以上だったと話すご夫婦。
「リフォーム前、寝室は寝る時にエアコンをつけて21℃くらいまで室温を上げて、23時くらいにタイマーで切れるようにしていたのですが、それだと朝の室温は13℃くらいに下がっていました。なので寒い時は朝までエアコンを付けっぱなしにすることもありました。今も真冬は、同じように21℃で23時頃に切れるよ うにタイマーをかけているのですが、朝の室温は22℃に上がっているんです(笑)。家族一緒に寝ているのですが、断熱によって熱が逃げにくいので、みんなの体温で室温が上がるんですね。朝、寒くないので 起きるのが楽です。床も前のようには冷たくないので、スリッパをはかなくても 歩けるようになりました」(ご主人)。
「2階の洗面所とトイレも劇的に変わりました。冬でもリビングから行く時にそれほど寒さを感じなくなったんです。それに、リフォーム前は、リビングのドアを開けっ放しにすることはとてもできませんでしたが、今は開けっ放しでも大丈夫に。浴室は内窓をつけたのですが、寒さがぜんぜん違う。トイレ、風呂の掃除が以前はいやでしたが、今はそうでもなくなりました」(奥様)。
リビングも内窓をつけただけだが、冷暖房の効きがとても良くなり、冬は、エアコンか床暖房のどちらか一方のみ使うことが多いそう。寒さの厳しい時に両方つけることがあっても、エアコンは室温をキープするくらいの弱モードの稼動で、床暖房も一番低い温度設定。夏のエアコンも、明らかに冷房の効きがよくなり、以前はひっきりなしに動いていたけど、今は室温をキープするための静かな稼動になったそうです。
「結露がなくなったのも、とてもよかったです。内窓の取付けは、簡単であっという間でしたね。壁は手前にあるものを動かしたりするのが、ちょっと面倒でしたが、それくらいですみました。施工前に、厚さ3センチのネオマ断熱ボードを見せてくれて、その厚さ分、部屋が狭くなるということでしたが、でき上がってみたらぜんぜん気になりませんでした。違和感はなかったですね」(奥様)。
結果的に電気代も安くなり、年間で2万円ほど下がったそうです。
「これまで家族みんなで一緒に寝ていたのですが、長男が中学生になって子ども部屋で寝るようになりました。いずれ下の子2人もそうなるでしょう。そう考えると、経済的にも環境的にも断熱リフォームをやっておいてよかったとつくづく思いますね」と穏やかな表情のご主人。お子さんたちの笑顔からも健やかな暮らし振りが伝わってきました。
次回は、Nさんが行った断熱リフォームの1)すべての窓に内窓を取付ける 2)1階の床全面に断熱材を入れる 3)1階寝室と2階トイレ・洗面所の壁に断熱材を張るの作業内容とポイントについて、写真とともに紹介します。