まずは雨漏りの原因をつきとめよ!|防水計画シリーズ
まずは雨漏りの原因をつきとめよ!
雨漏り、この古くて新しい問題
雨漏り、この古くて新しい問題を、HOUSE’Dr!(ハウスドクター)の4000件を超える検査事例から皆様に雨漏り事故を起こさない対策の立て方を含め、解説いたします。
まず雨漏原因を特定することが大切です。
雨漏検査白書
1997 年に 6 月 11 日が「雨漏点検の日」として登録制定されていますので毎年この時期に会員の検査報告をもとに「雨漏検査白書」を作成しています。
詳しい内容はこちら平成24年度「雨漏検査白書」をご覧になってください。
(http://house-dr.net/h24.pdf)
雨漏りの原因
雨漏りの主原因は家自体の揺れ
同じ工法で施工しているのに、なぜ木造3階建ての雨漏り事故発生率が特に多いのでしょう。全国雨漏り雨漏り検査協会の調査でほとんど主原因は、家自体の揺れに原因があることが判明しました。
家の揺れを防止すると雨漏りが止まる。雨漏りと家の揺れは、表裏一体であるということです。
雨漏り検査の現場からの報告で一番多い雨漏り事故の直接の原因は、シール材の押し入れ不足、シール材の亀裂、防水保護層の欠落などです。この現象は何を物語っているのでしょう。
また、引き渡し後、1から2年目の事故率が急激に増えるのは?疑問の一つ一つを解きほぐす必要があります。ここの原因については改めて解明しますが、家の揺れがああ森事故を起こす原因とするメカニズムを解明します。
揺れの実例
2002年の雨漏り点検の前日、パフォーマンスで雨漏り検査の公開実験を高校校舎にて、関係者立会いで行われました。この建物は、新校舎と旧校舎をエキスパイントジョイントでつないだ建物です。(RC造 6階建と3階建の接合)
長年の雨漏りで全国雨漏り検査協会以外の検査を繰り返し行うも問題点を発見できず。大手ゼネコンの勧めで、外装タイル張替(1億から数千万円をかけ)、工事を完成しましたが、雨漏りは収まらず、半分あきらめていたものです。
会員店の事前聞き取りで、ほぼ原因はエキスパイントジョイントにあると考え、ジョイント部分をを重点的に検査したところ、検査開始から(8:00AM~11:30AM)約3時間30分で原因箇所4か所の確認ができました。再発防止策を含めた報告書を作成し、学校関係者に配布しました。(学校名は匿名にします。)
本質を忘れた防水対策
この雨漏りの原因は、エキスパイントジョイントが、何のためにあるのかの本質を忘れた防水対策にありました。このジョイントは新校舎と旧校舎との固有振動周期(建物ごとに違う揺れの周期の違いを調整するためのものです。)ジョイント部分は常に部分は揺れのゆがみが集まるため、通常の防水方法では必ず問題が起こります。このジョイントと同じ条件の場所は、木造で言えば下屋部分の取り合い部分が相当いたします。
木造の場合はのし瓦下の捨て板金の施工 ※不足 や挿入漏れ(手抜き工事)が多いです。建物の形・大きさ・高さ(平屋・2階建・3階建)などで揺れ方も違います。同じ揺れ方をする家はありません。また木造建築物は、軸組みの木材の乾燥収縮により接合部の部分に陳間が発生し、土地の揺れなどに同調し揺れやすくなります。
雨漏りは、家の病気です。
何処が悪いかを確かめ、確信を持って修繕を行う
皆さまは、熱が出たとき病院に行き診察を受けて、何が原因の熱なのか{風邪か・インフルエンザか・肺炎か・脳炎かなど熱を出す原因が多いため}を調べてから、治療に入りますね。誰も診察・検査なしでいきなり治療を始めないはずです。
実は、家でも同じです。雨漏り事故が発生しても、直ちに屋根だと思い込み、あれこれ直すが、直らないと悩むものです。
雨漏りと一口に言っても結露かもしれないし、クーラー等の設備配管の逆傾斜(実は結構多い)の原因での漏水か? 配管のジョイント不足による漏水か?すが濡れかもしれないし、また雨水の侵入箇所の特定はなされているかなど、様々な条件をクリアしなければ正しい診断は出せません。
今までは、検査等診断なしに、工務店や板金店・防水店などが、経験による自己判断でいきなり改装(人間でいえば手術)を行い、結果的に直らずに、泣きついてくるのが現状です。
検査をし、何処が悪いかを確かめ、確信を持って治療(建築では修繕)を行うべきです。そうすれば修繕費も安く抑えられ、根本的な修繕を行う事が可能となります。長年の雨漏りの悩みがコーキングを10センチしただけで直るというようなことが現実に起こっています。
また反対に根本的に直さないと、解決しない場合もあります。
そのためにHOUSE’Dr!(ハウスドクター)の組織があるのです。この組織は全国組織で、国土交通省の地方整備局に登録(CB-030017)されており、㈱日本住宅保証検査機構・㈶日本住宅保証機構・各地裁判所・建築審査会・紛争処理機関・弁護士事務所・ゼネコン・ハウスメーカー・公共機関等から検査依頼を受け活動している団体です。(敬称略)
第三者の立場で雨漏り事故の原因追及
どちらの味方もしませんが、第三者の立場で雨漏り事故の原因追及を行います。そのために裁判所等から鑑定検査依頼が何回も依頼されています。宣伝のようになりましたが事実なのでご理解ください。
雨漏り原因の把握は、それなりの検査を行えば確認できますが、原因となった部位の不具合はいきなりできたのでしょうか?
初めから施工精度が悪ければ、引き渡し前から雨漏りし、皆が気がつき解決つくまで、引き渡しを伸ばしたはずです。誰でも、現場責任のある状態で、施主とけんかをするために、依頼を受け建築する工務店はないからです。誰でも事故はなければない方がいいのに決まっています。だけど、事故は起こります。
事故の発生時期の一番多いのは、完成後1~2年後くらいの建築物です。
雨漏り事故を起こさない対策
タイムラグによって雨漏り事故の真の原因が隠されている
前項で述べたように、完成後1~2年後に雨漏り事故の発生が多く見られるのは、軸組み等の木材が、経年変化で乾燥収縮し接合部(仕口等の要部分の剛性が低くなるためです。)
難しい書き方をしましたが、要は乾燥して仕口など継ぎ手部分に隙間ができて、外力に抵抗する力が落ちているということです。
和歌山県の工業技術センターでの実験で木材加工約60日で接合部(仕口)の初期剛性が1/4まで下がることが確認されました。
この時点で家が揺れやすくなり、各部位に不具合が、発生するはずですが、実際は1年ぐらいの差が出ます。そのタイムラグは外壁下地材の合板やサイディング等の面材が、揺れ対して抵抗してくれるから、自己の発生での時間のズレが出るのです。このズレが、雨漏り事故の真の原因を隠してしまい、2次的原因のシーリングの不良とか各種クラック・取り合いの悪さ・施工精度の悪さという、別の表情になります。このため、補修を施しても再発するのはこのためです。
家の揺れを無くす事が雨漏りの原因発生を抑える近道
まず、家の揺れを無くす事が、雨漏りの原因発生を抑える近道です。木造住宅のように、後日の変化に対応し接合部を良好な状態に保つためには適時にナットを常に締めなくてはなりません。ゆるみ防止だけでは、意味がありません。
現在の技術でこの問題を解決する方法が、開発され全国にこの工法認定建築物は7年間で700棟以上ありますが、自己ゼロを今でも更新中です。
大手ハウスメーカー各社にも注目しています。
その方法とは、「ナット自動増締め装置」をすべてのナットに取り付けることにより、家が揺れなくなり、事故の防止に
つながっています。(地震震度6以上・台風すべてクリアー実験済み)
一度の雨漏り事故を起こすと、解決に平均100万~300万円必要です(雨検調べ)事前取り付けでこの嫌な問題から解放され、施主の信頼も得られるのです。こんな得なことはありません。
現在の技術での建築する場合は、年間建築物の約10%の事故が発生すると言われています。仮に年間100棟施工のビルダーなら10棟の事故です。これに自己解決金平均の150万円をかけると1千500万円の損失です。
家を揺れなくするだけでこの損失が無くせるとしたら、どのようにされますか?
次回は、検査現場で実際起こっている事例(ベランダ付近の事故事例)をもとに検証したいと思います。
「ナット自動増締め装置」の詳細ページはこちらから
http://www.aikis.or.jp/~nhsottti/
特許第3260142号、特許第3327837号
実用新案 第2508453号、実用新案 第3053369号